高気密高断熱住宅が徐々に広まっている。本当に居心地の良い住まいとは?

日本の住宅事情-01

高気密高断熱住宅にせざるを得ない?

日本も昔は扇風機だけで生活ができていました。
しかし、住宅が密集しているため古い家屋のように壁一面を窓(縁側等)にして住まいに風を通すことができなくなりました。
すぐ隣に家があるためプライバシーを保護する必要があったためです。そのため、カーテンを閉め切りめったに開かれない窓が都市部にはたくさんあります。
また、家族間であってもプライバシーは重要になってきました。細かく家は仕切られ、風は一直線には抜けていきません。

さらに、耐震や防火のため自然素材は使われなくなってきました。家々も密集しているため、その地域丸ごとに風通りが悪くなりました。
空調の廃熱は外へ捨て、緑も伐採され、ヒートアイランド現象が起こっています。
窓を開けてもぬるい空気しか入ってこないため、また窓を閉め、冷房をきかせ、廃熱を放出する、という悪循環です。

悪循環から脱出するためのエコ?

どうせ家を閉め切って年中冷暖房をきかせるなら、いっそ欧米風に高気密・高断熱にし、廃熱や発電時に発生するCo2を減らせば、省エネにもなって環境問題も解決して一石二鳥だよね? というわけで、エコが叫ばれ始めたのです。
最近の異常気象も、要因の一つでしょう。
誰だって、冷暖房をがんがんかけずとも快適に暮らせるなら、そうしたいのです。冷暖房費、本当に馬鹿になりませんもん。でも、健康のためにもかけざるを得ません。省エネ家電では間に合わない。
では、つぎはどこを変える? ――住まいでしょ? となってくるわけです。

日本が掲げているCo2削減には、冷暖房の影響も侮れません。
しかし、断熱や遮熱の方法があまり浸透していません。高気密高断熱住宅にしても、まだまだ基準が甘く、施工業者によっては「最悪の家」と化します。しかもやたらと高いのですよね。住居を気軽に建て替えたり、リフォームするなんて無理なのです。
エコポイントがついて、減税で、やっと少〜しだけ窓が見直され、ハイブリッドカーが増えましたが……そうやって後押しされないと動けないのです。思いきれないものなのです。

エコを掲げるなら、もっと国が動いてくれないと。
これってかなり大きな市場になるのですから…