高気密高断熱住宅が徐々に広まっている。本当に居心地の良い住まいとは?

日本の住宅事情-03

空き家を撤去した土地だけなら、買い手も付きやすいのでは?

どうでしょう。
空き地にしてすぐ売れたらよいのですが、売れるとは限りません。
家として持っている場合と、土地だけの場合、相続税も6倍に跳ね上がりますし……家は、解体すると撤去費用が100万ほどかかります。お金ばかりがかかってしまうのですね。(一応、補助金を出してくれる自治体もありますが)

だから、多くの人が家として持ち続けて見て見ぬふりーー放置しているわけです。

また、持ち主が他界した場合など、相続で揉めることも多くなります。
家を潰すにしても、兄弟三人で分割している場合、すんなりと話は進みません。同じようなパターンで古いアパートやマンションも簡単には建て替えや撤去はできませんよね。
他に、「うちの資産価値はもっとあるはず」「値上がりする可能性だってまだある」と家に踏ん切りをつけられず、いつまでも手放せないパターンもあります。何年も住んだのです。住まいは愛着があるものですから。

高度成長期だったころの日本は、住める土地を探して山を切り崩し、海を埋め立てて広げてきました。
まともにルール化せず邁進してきた結果、あちこちに空き家や土地があるのに、そこには目もくれず、いまだ新しい土地を作って家を建てています。新しく綺麗なところに誰だって住みたいためです。

ドイツの場合

ドイツでは、家屋の調整がされてあり、その都市に建てられる家を制限されています。
無駄に緑を削らないよう、生活環境を悪くしないよう、厳しくコントロールがされているのです。日本とは真逆ですね。

因みに壁の厚さは30pで断熱材がみっちり。窓は当然のトリプルガラス!(日本でやっと普及し始めたペアガラスは、すでに古く違法であるため使用できないとか。)
住宅の基準が法律で義務付けられているため、嫌でもみんな「エコ」です。補助金や金利待遇等の政策も積極的に行われています。さらに新築の補助はまるっとカットされているようです。徹底しています。
それらは、建築がある意味制限されているドイツの、経済をコントロールする術でもあるのでしょうね。

今後の日本の住まいは?

日本も、空き家問題を何とかしたいのです。
現在、新たな基準や、エコ減税、補助金等どんどん打ち出されています。しかし、今後は家をリフォームさせ、「頑丈でしっかりした居心地の良い住まいを手放さない(手放させない)」仕組みへシフトしていくのでしょうね。綺麗で新しい住まいであれば、資産価値は高まります。

今のところ、高度成長期と変わらず新築が相変わらず好まれていますが、断熱リフォームや窓のリフォームならば、この先40年、50年は市場が生まれるわけです。簡単なところならエコガラス+樹脂サッシにすることから初めて、徐々に高気密高断熱にする方向に進めていけば、日本の住まいも50年後にはかなり変わっているのでしょう。

また、リフォームは需要と供給を満たす為、一部の経済も良くなるはずです。少なくとも、ドイツは成功しています。
義務化は怖いけど、もう少し積極的でも良いのでは? と思うんですよね。